武州茶について
かつて関東西部で作られていた武州茶。
主に江戸、東京および、横浜港からアメリカへも輸出された関東の名産品でもありました。
今は都市化になり茶畑もなくなり、一部生垣として残るばかりとなってしまいましたが、このまぼろしのお茶を残したいと当家9代目が飲み親しんだ味を復原いたしましたお茶が名産品「武州茶」でございます。
お茶には同じ武州北部の狭山茶を主に、静岡茶で香味を整えました。静岡が日本有数のお茶産地となった理由の一つに牧之原開墾があります。大政奉還で徳川慶喜が静岡駿府に居城を移した際、同行した江戸の士族たちは勝海舟らに進言し一望千里荒れ野であった牧之原でお茶の開墾を行い現在の静岡茶産業の源流を作ったといわれます。
勝海舟らは当時お茶が輸出品の花形であったこともありますが、武州で作られていたお茶の木が強く不毛の地でも根付くと確信を持って、わずか4年で生産にこぎつけたといわれます。
そのような謂れから、武州武士たちの偉業を加味し静岡茶を配合しております。
発売より5年が経ちましたが、お茶らしい濃い渋み・香りのバランスが取れたお茶として、ご好評をいただいております。
決して上品なよそゆきのお茶ではございませんが、普段遣いから御来客のかたにも幅広くい美味しいと思っていただけるお茶でございます。
田中屋 十代目当主 鈴木 清
十一代目 鈴木清仁